icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科23巻3号

1988年03月発行

文献概要

臨床経験

大腿四頭筋内に見られたガングリオンの1症例

著者: 山口高史1 渡辺康司1

所属機関: 1泉佐野優人会病院整形外科

ページ範囲:P.323 - P.327

文献購入ページに移動
 抄録:膝関節より発生し大腿四頭筋内に見られたガングリオンの1例を経験したので報告する.症例は60歳男性,左膝上部の腫瘤を主訴に来院した.種々の検索により術前に良性腫瘍性病変を疑ったが,高齢者で増大傾向を認めたため試験切除にて摘出した.腫瘤はゼリー状の内容物を含み3.5cm×2cm×2cmの大きさで膝蓋上包に茎部を有し内側広筋内に存在していた.組織学的にガングリオンと診断した.術前のCT,エコーによる所見が腫瘤の性質をよく反映し診断に有用であった.膝関節より発生し大腿四頭筋内に見られたガングリオンの報告は,我々の調査した範囲では認められなかった.本例の発生機序としては,膝伸展機構により常に微小外力の働く事が引き金となり,さらに変性をおこして抵抗脆弱部である筋肉内へと成長していったものと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら