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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科23巻3号

1988年03月発行

文献概要

臨床経験

Necrotizing fasciitis(壊死性筋膜炎)の2例

著者: 仲尾保志1 浜野泰之1 木村記行1 小野俊明1 野本聡1 向井万起男2

所属機関: 1済生会宇都宮病院整形外科 2慶應義塾大学医学部病理学教室

ページ範囲:P.329 - P.333

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 抄録:Necrotizing fasciitisは,外傷などを契機とする細菌感染によっておこり,重篤な全身症状を伴いながら急速に筋膜の壊死が進行する比較的稀な疾患である.今回我々はその2症例を経験した.症例1は21歳男性で,誘因なく左下腿に生じた紅斑が壊死化を伴って急速に下肢全体に拡大,壊死組織の全切除によって救命はし得たが下腿切断を余儀なくされた.症例2は19歳男性で,右大腿骨骨折・左大腿部挫創後,脂肪塞栓を併発,さらに両大腿に生じた紅斑は壊死化を伴って臍部から両下肢に拡大,数回にわたり壊死組織切除を行ったが敗血症性ショックで死亡した.本症の治療では,化学療法や切開排膿のみでは根治が得られず,できるかぎり早期にsurgical débridement(壊死組織の全切除)が行われなければならない.その施行時期が生命予後を左右するとも言われており,外傷を扱うに際して本症の存在を認識しておくことが必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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