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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科23巻4号

1988年04月発行

文献概要

特集 脊柱管内靱帯骨化の病態と治療(第16回日本脊椎外科研究会より)

座長総括/「XI.脊柱管内靱帯骨化の分布および進展」の部

著者: 酒匂崇1

所属機関: 1鹿児島大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.364 - P.365

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 八幡(国立西多賀病院)は,頸椎OPLLの全脊柱の骨化形態をX線学的に手術症例123例について検索した.評価の方法として,頸椎,胸椎,腰椎のOPLL,ASH,barsony,OYLなどの脊柱靱帯骨化に点数を与え合計10点としている.頸椎OPLLは広範連続型が45%と過半数近くを占めており,各種の靱帯骨化が有意に多く合併する.点数でみると,分節型は平均3.6点,下位限局連続型は3.9点,広範混合型は4.6点,広範連続型は5.9点で,広範連続型に全身の骨化傾向が強くみられるとした.土屋より寺山分類を用いての分析で,頸椎中央部に限局した連続せるOPLLはどのように分類するかについて質問があり,回答は連続型は上,中,下位に分ける必要はなく,下位限局連続型にするとのことであった.
 和田(信州大)は,頸椎OPLLの四肢関節周囲の靱帯骨化の合併頻度を調査し,骨化の初期像の意義について検討を加えた.調査した症例は頸椎OPLL 254例で,その他型以外では脊柱靱帯骨化は50〜90%に合併がみられ,OALLは50歳以上になるとStage II,IIIに進行する傾向が強い.骨盤,股関節部に187例中158例(85%)に骨化を認め,特に坐骨結節や臼蓋外側部に高頻度に早期出現が認められる.その他に大腿四頭筋の膝蓋骨付着部,踵骨のアキレス腱付着部にも80%と高頻度に認め,肩及び肘関節部には40%であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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