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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科23巻4号

1988年04月発行

文献概要

特集 脊柱管内靱帯骨化の病態と治療(第16回日本脊椎外科研究会より)

炭素・窒素同位体分布からみた脊柱靱帯骨化症患者の食品摂取傾向

著者: 武者芳朗1 茂手木三男1 藤田隆一1 古府照男1 長谷川和寿1 阪元政郎1 梅田嘉明2 南川雅男3

所属機関: 1東邦大学医学部整形外科学教室 2横浜東邦病院 3三菱化成生命科学研究所

ページ範囲:P.383 - P.389

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 抄録:われわれは頸椎後縦靱帯骨化(以下OPLL)発生の環境因子の1つとして食生活に着目し,OPLL患者の食品嗜好調査を行ってきた.患者の食生活状況をより正確に把握するために,患者の毛髪における炭素・窒素同位体比の分析を試み,性ホルモン測定結果と合わせて検討を加えた.調査対象はOPLL患者40例で,非患者30例をcontrolとした.OPLL患者のδ13C値はcontrol値とほぼ同様であったが,δ15N値は有意に低値を示したことより,controlに比し動物性蛋白質より植物性蛋白質優位の食品摂取傾向のあることが知られた.一方,男子22例の血清性ホルモン定量ではcontrolに比し,estrogen優位の傾向が見られた.OPLL患者の食品摂取傾向はcontrolとは異なる一面を持つことより,患者の食生活は直接的な要因ではないにしても性ホルモンの不均衡とともに靱帯骨化発生における1つのback groundとみなしうるのではないかと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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