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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科23巻4号

1988年04月発行

文献概要

特集 脊柱管内靱帯骨化の病態と治療(第16回日本脊椎外科研究会より)

脊柱靱帯骨化症の実験的研究—骨形成因子を用いて

著者: 宮本紳平1 中原治彦1 高岡邦夫1 米延策雄1 小野啓郎1

所属機関: 1大阪大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.391 - P.396

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 抄録:脊柱靱帯骨化症が異所性骨化現象であることは知られているが,その病因は明らかにされていない.他方,異所性に骨組織を誘導し得る物質として骨形成因子が知られている.本症の発症に骨形成因子が関与しているかを実験的に検討した.マウス骨肉腫より抽出・部分精製した骨形成因子をマウスに移植し,脊柱靱帯に作用させた.骨形成因子の作用により,1)腰椎黄靱帯の著明な肥厚がみられ,未分化間葉系細胞の増殖,線維の増生・配列の乱れによる線維構造の不明瞭化,小血管の侵入,elastic fiberの減少などを認めた.2)尾椎は,骨膜下での骨形成により横径を増し,尾椎縦靱帯の肥厚・細胞増殖・線維配列の変化を認めた.これらの所見は,臨床的な病理組織像と類似することより,本症の発症に骨形成因子が関与している可能性が示唆された.骨形成因子を用いた本症の疾患モデル作成には,今後さらに検討を要する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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