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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科23巻4号

1988年04月発行

文献概要

特集 脊柱管内靱帯骨化の病態と治療(第16回日本脊椎外科研究会より)

頸椎後縦靱帯骨化の発生進展機序—臨床・病理面からの検討

著者: 山浦伊裟吉1 黒佐義郎1 岡本昭彦1 大川淳1

所属機関: 1九段坂病院整形外科

ページ範囲:P.403 - P.410

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 抄録:頸椎後縦靱帯骨化(以下OPLL)の発生伸展機序の研究において,連続・混合型のhyperostotic typeの骨化発生に伴って,あるいはそれに前駆して組織増生(肥厚)の存在の可能性が推測されていた.その根拠の一つは,大型骨化は一般に小型のものから徐々に拡大して成長する過程が,X線追跡において証明され難いこと,また初期から不定形の骨化が比較的広い範囲に発生すること,他の一つはOPLL進展段階の手術生検標本には骨化のほかに繊維軟骨,石灰化,血管結合織および間葉系細胞浸潤などバラエティに富んだ組織増生が認められることなどであった.しかし,骨化出現前の段階で,後縦靱帯の肥厚病変を捕捉することは極めて稀なことである.われわれは1974,1986年に各1例ずつを経験し,組織検索を行う機会を得た.骨化に先行する後縦靱帯肥厚の主体は繊維軟骨の増生これに引き続く石灰化であることが判明した.2例とも髄核組織の脱出が認められたことから後縦靱帯の剥離断裂を引き金にして,繊維軟骨増生,石灰化,骨化へと組織転換する過程を推定させた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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