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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科23巻4号

1988年04月発行

文献概要

特集 脊柱管内靱帯骨化の病態と治療(第16回日本脊椎外科研究会より)

頸椎黄色靱帯骨化・石灰化巣と黄色靱帯の分布について

著者: 田中弘美1 都築暢之1 星地亜都司1 堀田芳彦2 飯塚正2

所属機関: 1埼玉医科大学総合医療センター整形外科 2埼玉医科大学整形外科

ページ範囲:P.411 - P.417

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 抄録:胸椎黄色靱帯骨化は比較的多いが,頸椎黄色靱帯骨化は稀である.しかし石灰化という点からみると頸椎黄色靱帯石灰化は比較的多いが,胸椎での石灰化巣による圧迫麻痺の報告はない.このように骨化と石灰化の発生頻度が頸椎と胸椎で逆の関係になっている.今回この問題をとりあげ,自験例頸椎黄色靱帯骨化症1例,石灰化症7例,胸椎黄色靱帯骨化症17例および人の遺体標本3体を対象にして研究を行い,次の様な結論に達した.1)頸椎黄色靱帯骨化症は石灰化症に比べて石灰化(-),オステオポローシス(-),靱帯骨化傾向(+)などにより発生機序が異なる.2)頸椎黄色靱帯骨化巣はC5/6より頭側と尾側で発生頻度,部位が異なっており,黄色靱帯の椎間関節包部の有無と関連があった.3)頸椎の椎間関節の傾斜確度は胸椎と異なり,靱帯にかかるストレス等の影響を無視できない.4)頸椎の左右の椎間関節間距離は頸椎では長く,胸椎では短いことが黄色靱帯の分布の違いに関与している可能性がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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