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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科23巻4号

1988年04月発行

文献概要

特集 脊柱管内靱帯骨化の病態と治療(第16回日本脊椎外科研究会より)

CTMよりみた頸椎後縦靱帯骨化症と頸椎症性脊髄症の病態の差異

著者: 藤原桂樹1 米延策雄1 江原宗平1 山下和夫1 小野啓郎1

所属機関: 1大阪大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.419 - P.424

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 抄録:頸部脊髄症の治療予後を術前に予測するうえで,CTMより計測した最大圧迫高位での脊髄面積が有効な指標となることは既に報告してきた.今回は頸椎後縦靱帯骨化症(OPLL),と頸椎症性脊髄症(CSM)の2疾患に注目しOPLLにおいて術前神経症状,治療予後と関連する因子,OPLLとCSMの病態の差異,を明らかにすることを目的とした.OPLL 20例,CSM 24例のCTM像を検討し以下の知見を得た.①OPLLにおいては,脊髄面積,扁平率で表わす脊髄変形の程度,および狭窄率,骨化面積,有効脊柱管面積で表わす骨性因子の大きさは術前神経症状の重篤さと関連する指標とはならない.②有効脊柱管面積,脊髄面積は術後日整会点数,改善率と相関性がある.③脊髄に対する静的な骨性圧迫はCSMよりOPLLがより高度であるが脊髄の大きさ,形態,治療予後には差異がない.CSMでは頸椎不安定性に由来する動的圧迫がさらに加わるためであろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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