icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科23巻4号

1988年04月発行

文献概要

特集 脊柱管内靱帯骨化の病態と治療(第16回日本脊椎外科研究会より)

胸腰椎黄色靭帯骨化症の病態—発症の局所因子と神経症状—手術治療例からの検討

著者: 倉上親治1 金田清志1 鐙邦芳1 橋本友幸1 白土修1 高橋洋行1 武田直樹1 藤谷正紀2

所属機関: 1北海道大学医学部整形外科学教室 2北海道整形外科記念病院

ページ範囲:P.441 - P.448

文献購入ページに移動
 抄録:胸腰椎黄色靱帯骨化(OLF)単独障害21例の手術治療例と明らかなOLFを認めるが無症状の47例を対照とし,神経症状とその発症に関する局所因子を中心に検討した.初発症状は何らかの下肢症状であったが,手術時には90%が歩行障害と排尿障害を訴えた.主要障害高位は脊髄腔造影の診断では,T10/11椎間10例,T11/12椎間7例で他4例は多椎間であった.神経学的所見では,T10/11椎間障害高位例はlong tract signを示したものが多かった.しかし,T11/12椎間障害高位例では下肢腱反射の低下や著明な筋力低下など,髄節性障害の加わった,多彩な神経学的所見を示すものが多かった.椎間板変性は手術群で67%に認められ,特に変性の著明なものは,対照群より多く認めた.椎体の楔状変形もOLF手術群で43%に認められた.OLFの骨化増大には,全身的な靱帯骨化因子とともに,椎間板変性や椎体楔状変形など黄色靱帯に対するストレスを増加させる因子が局所因子として考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら