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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科23巻4号

1988年04月発行

文献概要

特集 脊柱管内靱帯骨化の病態と治療(第16回日本脊椎外科研究会より)

胸椎後縦靱帯骨化症に対する後方進入脊髄前方除圧の経験

著者: 大塚訓喜1 寺山和雄1 和田光司1 木下久敏1 高橋紳一1 村田修一1

所属機関: 1信州大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.467 - P.472

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 抄録:胸椎OPLLに対して,後方進入脊髄前方除圧法を考案したので,その手術術式と成績について報告する.この手術方法は3つの要素,つまり後方進入前方除圧,横突起間脊椎固定,spinal instrumentationから成っている.まずwide en bloc laminectomyを行い,次にOPLLの前方を斜の方向からえぐるようにサージエアトームを用いて椎体を削除する.この操作を両側から行うと病巣部が椎体から遊離し,硬膜は前方へ移動して除圧がなされる.10例の胸椎後縦靱帯骨化症に本法を施行した.このうち6例にOPLLと同一部位に黄色靱帯骨化の合併を認めた.JOA score(II点満点)では術前成績平均2.9点から術後は平均が8.3点であり,全ての症例において麻痺の改善が得られ,その改善率は平均61.8%であった.本法は手術範囲に制限はなく,また胸椎OPLLは黄色靱帯骨化を合併することがしばしばあり,脊髄の前後双方の障害を同時に除去することが可能である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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