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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科23巻4号

1988年04月発行

特集 脊柱管内靱帯骨化の病態と治療(第16回日本脊椎外科研究会より)

脊柱管内靱帯骨化症における予後不良例の検討

著者: 村瀬正昭1 井形高明1 八木省次1 篠原一仁1 正木国弘1 田村阿津王1 柏口新二1 山下雅樹1

所属機関: 1徳島大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.473 - P.479

文献概要

 抄録:脊柱管内靱帯骨化症(頸椎後縦靱帯骨化症,胸椎後縦靱帯骨化症,胸椎黄靱帯骨化症)の術後成績不良例について検討した.対象は頸椎部36例,胸椎部15例であり,手術時年齢は31歳から71歳(平均52歳),平均経過期間は2年8ヵ月である.改善率(平林法)が0%以下の不良群は,頸椎部5例(13.9%),胸椎部5例(33.3%)であり,改善率50%以上の良好群に比し、手術時年齢が高く,罹病期間が長い傾向にあった.総合的評価による予後不良要因として,①術前の脊髄病変の把握不足,②手術手技の不適(除圧幅の不足),③著明な脊髄変性(脊髄空洞化等),④脊柱後彎の増強,などが考えられた.これらの対策として,①術前の脊髄病変の正確な把握により,手術の好期を逸しないこと,②正しい責任病巣の決定と,適切な手術方法の選択下でatraumaticな操作に終始すること,③術前よりVitamin Eの投与による脊髄保護を行い,術中にはモニターリングの併用も考慮することなどが重要と思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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