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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科23巻4号

1988年04月発行

特集 脊柱管内靱帯骨化の病態と治療(第16回日本脊椎外科研究会より)

頸椎後縦靱帯骨化症の手術成績—前方除圧術と後方除圧術の比較検討

著者: 国分正一1 桜井実1 八幡順一郎2 石井祐信2 西平竹志2 佐藤哲朗3

所属機関: 1東北大学医学部整形外科学教室 2国立療養所西多賀病院整形外科 3東北労災病院整形外科

ページ範囲:P.543 - P.553

文献概要

 抄録:頸椎後縦靱帯骨化症の手術例146例を対象に,前方除圧術96例(摘出術89例,浮上術7例)と後方除圧術50例(椎弓切除術10例,脊柱管拡大術:服部法37例,黒川法3例)の成績を手術時間・出血量,合併症,神経学的改善,CT myelogramでみた脊髄の復元性の視点より比較検討した.靱帯骨化は分節型54例,連続型92例で,32%が硬膜骨化を合併していた.前方除圧を原則とした時期は手術が長時間,出血多量となり,髄液瘻,咽頭浮腫,舌下・反回神経麻痺,移植骨の骨折・脱転,感染等の生じた例が多かったが,後方除圧の適応を選ぶようになってからは安定した成績が得られた.神経学的改善と脊髄の復元性は,後方除圧に比して前方除圧の優秀性を示す確証が得られなかった.左右幅が広い骨化,硬膜骨化が癒合した骨化,4椎間以上の除圧あるいはC2椎体への侵襲が必要な骨化等,前方除圧術に困難と合併症が予想される骨化は後方除圧術の選択が妥当である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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