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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科23巻4号

1988年04月発行

文献概要

特集 脊柱管内靱帯骨化の病態と治療(第16回日本脊椎外科研究会より)

頸椎後縦靱帯骨化症の手術成績からみた手術適応

著者: 市村正一1 平林洌1 里見和彦1 長山信幸1 田中耕一1 戸山芳昭1 若野紘一1 藤村祥一1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.555 - P.562

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 抄録:頸椎後縦靱帯骨化症の初回手術107例について,手術成績を術式別に検討した.その内訳は,前方除圧・固定術16例,椎弓切除術28例,片開き式脊柱管拡大術54例,2段階手術9例であった.総合成績はADL点数で術前平均8.3点から術後13.2点,平均改善率は58.8%で,改善率50%以上の満足群は7割を越していた.また,術式別にはすべて50%以上の平均改善率を示し,病態に基づいた我々の手術選択は概ね妥当といえた.特に,脊柱管拡大術は成績も優れ,長期成績も安定し,しかも手術侵襲が最も少なかった.成績不良因子としては,重症例,高齢者,外傷例,2年以上の罹病期間例および脊柱管狭窄の合併例などがあげられた.今後,前方除圧の適応は従来通り3椎間までとし,さらに除圧の確実性を期するため骨化茎部の狭小なるものとしたい.前方除圧の適応外と高齢者には脊柱管拡大術を適応するが,後彎変形がある場合には術前慎重に術式を決定する必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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