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軟部悪性腫瘍のadjuvant chemotherapy
著者: 荻原義郎1
所属機関: 1三重大学整形外科
ページ範囲:P.565 - P.566
文献購入ページに移動そもそも軟部悪性腫瘍はその発生頻度が全悪性腫瘍の約1%と非常に低い上に腫瘍の発生部位によって各々の科に分散されており,それらをまとめ難く,また組織像が非常に多彩であり種々の悪性度のものが混在しているのでそれらの性格をつかみ難い.その上これらの腫瘍は偽被膜を有し限局性に見える増殖を示すために単純な摘出術がしばしば行われている.これらの事は軟部悪性腫瘍に対し効果的,統一的な治療を行う妨げとなり,その治療成績は,5年生存率が40〜50%と決して良いと言える状態ではなかった.しかし最近のEnnekingら多くの研究者のすぐれた業績は,軟部悪性腫瘍にも骨悪性腫瘍と同様極めてradicalな手術が必要である事を強調しており,手術的療法は近年大いに改善されて来ている.また術前の化学療法や放射線療法の併用は個々の腫瘍の局所制圧率を非常に高め得る事がSuit,Rouesse,Potterらの研究により示され,これら補助療法の有用性もまた確立されたものとなって来ている.一方,術後の化学療法に関しては,以前からadriamycinやdacarbazineが単剤で用いられており,その効果が報告されている.またその後combination therapyとしてALOMD,CYVADIC,その他多くのprotocolが発表され,種々の施設で追試されている.しかし報告されているそれらの成績の多くはさまざまであり有用性は一定していない.
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