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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科23巻5号

1988年05月発行

文献概要

臨床経験

脊柱再建を要した巨大な馬尾神経神経鞘腫の1例

著者: 白崎信己1 冨士武史1 倉都滋之1 久保雅敬1 濱田秀樹1 川合省三2

所属機関: 1大阪府立病院整形外科 2大阪府立病院脳神経外科

ページ範囲:P.651 - P.656

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 抄録:高度の椎体侵蝕のために脊柱再建を要した,巨大な馬尾神経神経鞘腫の1例を経験した.症例は44歳女性で,昭和44年,腫瘍切除術を受けたが,術後より右下肢の筋萎縮,知覚鈍麻が残存した.昭和60年5月,腰痛の増強を主訴として来院した.画像診断にて,L4〜S2の椎弓,椎体への腫瘍の広範な侵蝕像が認められた.手術療法は二段階に分けて施行された.まず,前方要素の腫瘍切除および前方固定術が施行され,5カ月後,椎弓切除,脊柱管内腫瘍の切除,後側方固定術が施行された.後方手術後1年の現在,知覚,運動麻痺は改善せず,膀胱障害は増悪し,間欠的自己導尿を施行しているが,L4〜S1の脊柱再建の完成と,腰痛の消失をみた.本例のように骨破壊が高度な場合,脊柱再建を考慮にいれた計画的手術が必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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