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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科23巻5号

1988年05月発行

文献概要

臨床経験

側彎と腰痛を呈したoccult spinal dysraphismの1手術例

著者: 三上靖夫1 長谷斉1 榊田喜三郎1 宮本達也1 渡辺俊彦1

所属機関: 1京都府立医科大学整形外科学教室

ページ範囲:P.657 - P.660

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 抄録:明らかな神経症状を呈さずに側彎および腰痛を来したoccult spinal dysraphismの1例を経験した.症例は14歳の女性で激しい腰痛を訴えるが両側SLR 60°以外は神経学的に異常なく,単純X線像では第12胸椎から第5腰椎にCobb角52°の右凸の側彎を認めた.ミエログラムでは脊髄円錐部に腫瘍性陰影を認め,円錐下端は第3腰椎椎体高位で低位にありCTMでは同部に一致してfat density massを認めた.手術時,第4腰椎高位の瘢痕様の皮膚直下より索状物が生じ第3腰椎棘突起を貫いて硬膜内へ入り脊髄円錐部の脂肪腫へと連続していた.索状物および脂肪腫を切除し側彎に対してはZielke前方法によりCobb角0°へ矯正し,腰痛は消失した.索状物による脊髄の尾側への牽引が腰痛および側彎の原因のひとつであると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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