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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科23巻6号

1988年06月発行

文献概要

論述

先天股脱発現における季節因子の関与—新生児期検診児の乳児期異常例からの分析

著者: 渡辺真1 柳沢正信1 福田茂1 高橋功1 松本美恵子1

所属機関: 1福島県立医科大学整形外科学教室

ページ範囲:P.711 - P.714

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 抄録:新生児股関節検診を受けた症例の中から新生児期クリック陽性無治療の乳児期先天股脱22例と新生児期クリック陰性の乳児期先天股脱(late diagnosis)32例に分析を加えた.先天股脱の成因と考えられる出生前因子(性別,生下時体重)と出生中因子(生下時体重,出生状況)および検診体系因子(検診時日齢)からはクリック陽性群やコントロール群と有意差は見い出せなかった.出生後因子(出生月およびその季節性)に強い差異が認められた.両群で生後3,4ヵ月をすごす時期が寒い時に生れた児の頻度が大であった.乳児先天股脱の発現は,新生児期での見落としというよりは,むしろ生後3,4ヵ月に児に加えられる環境因子が重要な役割を演じているものと思われる.乳児先天股脱の予防は生後3,4ヵ月の時期に育児法など先天股脱を誘発させる因子を児に加えないよう注意することである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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