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症例検討会 骨・軟部腫瘍8例
〔症例2〕上腕骨骨腫瘍
著者: 野島孝之1 井上和秋1 武田直樹2 大野和則2 松野丈夫2
所属機関: 1北海道大学付属病院病理部 2北海道大学付属病院整形外科
ページ範囲:P.718 - P.720
文献購入ページに移動臨床経過:昭和61年10月頃,左上腕部痛と腫脹が出現し,北大整形外科を受診した.X線上,左上腕骨近位端,骨幹端から骨幹部にかけて,骨外性に膨隆する硬化像を認めた.骨皮質は肥厚し,骨膜反応をみるが,spiculaやsun-burst状の変化はみられない(図2-1).血管造影ではtumor stainは,はっきりせず,またCTスキャンでは,骨外性に辺縁不規則な硬化像を認めた.11月6日に生検がなされ,11月27日に左上腕骨の広範囲切除術,血管柄付腓骨移植による肩関節固定術を施行した.手術材料は肉眼的には,骨幹端から骨幹部にかけて8×3cmの灰白色,骨様硬の腫瘍がみられる.骨皮質は骨膜反応を伴い,肥厚を示すが,周囲の結合織への腫瘍浸潤はみられない.
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