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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科23巻6号

1988年06月発行

文献概要

臨床経験

足底部に発生したinfantile fibromatosisの1例

著者: 森戸俊典1 楠崎克之1 葛原啓1 日下部虎夫1 榊田喜三郎1

所属機関: 1京都府立医科大学整形外科学教室

ページ範囲:P.789 - P.793

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 抄録:最近われわれは生下時より足底部に発生した浸潤性軟部腫瘍の1例を経験した.症例は新生児男児で生下時より左足底部に腫脹を認め徐々に増大し舟底足変形をきたしてきたため,生検後生後8週目に腫瘍摘出術を施行したが,可及的切除にもかかわらず術後1年9カ月の現在腫瘍の増大・遠隔転移はみられない.腫瘍は足底深部にび漫性に認められ,弾性硬で境界不明瞭であった.皮膚との癒着は認めなかったが,皮下脂肪・筋組織への浸潤が著明で神経を巻き込んでいた.腫瘍は豊富な膠原線維を伴う紡錘型線維細胞を主体とし再生筋芽細胞・変性シュワン細胞・ヘモジデリン含有細胞を伴っていたが,悪性所見は認められなかった.本症例で鑑別すべきものとしてはinfantile fibromatosis,plantar fibromatosis,aponeurotic fibromaおよびnodular fascitisが挙げられるが,臨床学的および組織学的所見より詳細に検討した結果,本症例は足底部に発生したきわめて稀なinfantile fibromatosisであると診断した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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