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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科23巻6号

1988年06月発行

文献概要

臨床経験

浅腓骨神経の絞扼障害—外側大腿皮神経の絞扼障害を続発した1症例

著者: 佐藤啓三1 寺内正樹1 矢野悟1 金原宏之1

所属機関: 1兵庫県立のじぎく療育センター

ページ範囲:P.795 - P.798

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 抄録:浅腓骨神経の絞扼障害の術後経過観察中に外側大腿皮神経にも絞扼障害を発症した1症例を経験した.症例は13歳女性で,右足背部痛を主訴に来院,同部の知覚鈍麻と右下腿外側遠位1/4,浅腓神経の下腿筋膜貫通部付近にTinel徴候を認めたが,運動麻痺,反射異常はなかった.2ヵ月間の保存的治療後,神経剥離・筋膜切除を行ない筋膜貫通部位での浅腓骨神経の絞扼を確認した.術後4ヵ月より右大腿部前外側の疼痛を生じ,同部の知覚異常と外側大腿皮神経の筋膜貫通部位である前腸骨棘遠位内側にTinel徴候を認めた.同神経の絞扼障害の診断の下に6ヵ月間の保存的治療後,手術を行なった.どちらの神経障害の症状も術後,速やかに消退し,現在,愁訴は全く認めない.浅腓骨神経の絞扼障害は過去10例の報告を数えるのみで,他の神経障害を発症した症例はなく,外側大腿皮神経の絞扼障害を生じた本症例は極めて稀な症例と思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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