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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科23巻6号

1988年06月発行

文献概要

臨床経験

脱分化型軟骨肉腫の2剖検例

著者: 土井田稔13 鵜飼和浩1 岩崎安伸1 水野耕作1 広畑和志1 岡田聡2 高橋玲3 前田盛3 杉山武敏3

所属機関: 1神戸大学医学部整形外科学教室 2神戸大学医学部附属病院病理部 3神戸大学医学部第2病理学教室

ページ範囲:P.799 - P.803

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 抄録:脱分化型軟骨肉腫(DDCS)の2剖検例を経験したので報告する.[症例1]:52歳,男性.右骨盤の原発巣は中分化型軟骨肉腫であったが,腫瘍摘出術術後約2年で再発し,再発巣は線維肉腫様あるいは悪性線維性組織球腫(MFH)様の像が主であった.剖検時,左大腿骨に分化型軟骨肉腫の転移を認めたが,他の転移巣は線維肉腫あるいはMFH様であった.[症例2]68歳,男性.右大腿骨骨幹部の原発巣は分化型軟骨肉腫,脱分化した部位ではMFH様であり,広範囲腫瘍摘出術術後約1年で局所再発及び全身転移の後に死亡した.剖検時,再発転移巣はMFH様で,分化型軟骨肉腫成分は見られなかった.2剖検例とも再発転移巣に分化型軟骨肉腫の像よりも線維肉腫あるいはMFH様所見がより優位であり,DDCSの治療には骨肉腫などの高悪性肉腫と同様に早期に診断を確定して,根治的外科療法をすべきと考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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