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手術手技シリーズ 関節の手術<下肢>
Lord式セメントレス人工股関節手術
著者: 一青勝雄1
所属機関: 1順天堂大学医学部附属順天堂浦安病院整形外科
ページ範囲:P.847 - P.856
文献購入ページに移動1979年よりLord式セメントレス人工股関節を使用し,現在までに127症例,146関節に施行した.この人工股関節は,1975年にフランスのLord教授が開発したものであり,表面を小球状に加工したmadréporique typeのstemと,elipsoid(円錐型)で4条のネジ山を持つ金属ringにHDP cupを嵌め込むmetal back形式の臼蓋componentより成る.その後stress shieldingの問題などからstem先端を滑らかにしたMark II typeが作られ,次いでrevisionの際に抜去が困難なことから,madréporique typeをやめ,1985年より縦にslit状に加工したpolarisée typeに変わり現在に至っている(図1).本邦ではまだpolarisée typeが発売されておらず,現在はMark II typeを用いている.以上今までにデザインの改良が成されて来たが,臼蓋componentはネジ込み式ringのmetal back形式であり,stemも大腿骨頸部に直角に接し,calcar部で水平に荷重を支え,骨髄腔でtotal contactする設計であることは一貫して変更されていない.
今回今までの8年間の経験に基づき,手術術式を中心に記載する.
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