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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科23巻7号

1988年07月発行

文献概要

臨床経験

母指MP関節lockingの2例—種子骨の操作による整復法

著者: 長嶋哲夫1 岩瀬方人1 高橋健志郎1

所属機関: 1済生会野江病院整形外科

ページ範囲:P.885 - P.888

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 抄録:母指MP関節のlockingについては徒手整復不成功例には観血的整復術が行われている.我々は最近徒手整復困難であった母指lockingの2例を経験し,経皮的に種子骨に操作を加えることにより成功したので報告する.症例は43歳と21歳の男性で,ともに母指を強打した直後よりIP関節軽度屈曲位,MP関節軽度過伸展位に固定されたまま屈曲不能となり受診している.局麻あるいは伝達麻酔下で経皮的に注射針にて橈側種子骨を橈側におし出すようにした状態でMP関節を屈曲させるとSnappingとともに整復された.文献的及び解剖学的にその整復法について検討した.種子骨の末梢ではaccessory lig.が,中枢ではAdductor pollicis,Flexer pollicis brevisが大きく関与していることが推察された.volar plateはこれら動的因子があって始めて静的な障害因子となるものと考えられた.従って種子骨に操作を加えることで,この動的因子を取り除くことによりlockingは解除されるものと思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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