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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科23巻7号

1988年07月発行

文献概要

臨床経験

成長帯を貫通し骨幹端と骨端にまたがって存在したBrodie骨膿瘍の1例

著者: 森利光1 石井清一1 薄井正道1 横串算敏1 吉田強1

所属機関: 1札幌医科大学整形外科学教室

ページ範囲:P.903 - P.906

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 抄録:Brodie骨膿瘍は長管骨骨幹端部に発生することが多い.成長帯を破壊し骨幹端から骨端に病巣がまたがって存在するBrodie骨膿瘍は非常に稀であり,著者が調査し得た範囲ではこれまで19例の報告をみるにすぎない.われわれは,脛骨遠位部の成長帯を貫通し骨幹端と骨端に病巣が存在したBrodie骨膿瘍の症例を経験したので,文献的考察を加えて報告する.症例は3歳の女児で,6カ月前から出現した左足関節部痛と破行を主訴に近医を受診した.X線上,左脛骨骨幹端から骨端にかけて境界鮮明な透亮像を認め,骨腫瘍の疑いで当科を紹介された.来院時左足関節部の腫脹と熱感があり圧痛を認めた.血沈は中等度に亢進し白血球数は増多していた.骨髄炎の疑いで抗生剤の投与を開始した.入院後病巣を可及的に掻爬し遊離脂肪移植を施行した.術後骨端線の早期閉鎖は生じておらず正常な骨成長がみられている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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