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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科23巻7号

1988年07月発行

文献概要

臨床経験

大腿骨頭壊死に対する血管柄付腓骨移植術の経験

著者: 宮崎憲太郎1 山内茂樹1 島村浩二1 米沢幸平1 池田和夫1

所属機関: 1金沢大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.911 - P.916

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 抄録:大腿骨頭無腐性壊死に対して,骨頭の血行再建と陥没の防止を目的として,血管柄付腓骨移植術を行った.症例は特発性1例,ステロイド性2例で,3例ともMarcusの分類でStage 3であった.手術は前方から股関節に侵入し,関節軟骨を病的な部分で切開し,病巣掻爬を行った.大腿骨頸部前面に骨溝を作成し血管柄付腓骨を骨頭内に挿入し,周囲には海綿骨移植を追加した.移植腓骨は7〜8cmでbuoy flapを付け,大腿外側回旋動静脈と吻合した.全例術後2年以上経過している.1例は術後,アルコール依存と対側の骨壊死が出現し,十分な免荷得られず,陥没が進行した.2例は歩行時全く疼痛なく,レ線でも骨頭の軟骨下骨と移植腓骨の間に骨梁の形成を認め,陥没は防止されている.本法は壊死骨頭のrevascularizationと形態保持が期待できる有用な方法である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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