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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科23巻8号

1988年08月発行

文献概要

論述

神経芽腫骨転移症例の臨床的検討

著者: 田辺政裕1 高橋英世1 大沼直躬1 江東孝夫1 真家雅彦1 高田典彦2

所属機関: 1千葉大学医学部附属病院小児外科 2千葉県がんセンター整形外科

ページ範囲:P.933 - P.937

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 抄録:生後1ヵ月から12歳までの神経芽腫症例33例を対象にして,全身骨X線検査及び99mTc-MDPによる骨シンチグラムにより骨転移の検索を行った.33例中20例(61%)に骨転移を認め,同時期に経験した他の小児悪性固型腫瘍の骨転移頻度と比較して明らかに高かった.骨転移例の初発症状は,発熱・下肢痛が最も多く,45%の症例に見られた.これらの症状は,原発巣の腫瘍に由来しないため,診断の遅れる原因となっていた.これは,下肢痛の症状発現から治療が開始されるまでの期間が102日であるのに対して,原発巣の腹部腫瘤では22日であることからも裏付けられた.転移部位は,大腿骨,頭蓋骨,肋骨,骨盤の順で多かったが,骨X線検査での検出率はわずか15%であった.神経芽腫骨転移を骨X線検査だけで診断することは困難で,原因不明の下肢痛を訴える患児に対しては,種々の検査による本症の鑑別が必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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