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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科23巻8号

1988年08月発行

文献概要

論述

椎間関節ブロックによる腰痛の分析

著者: 細川昌俊1 加藤哲也1 横井秋夫1 安藤千博1 木原正義1 橋本健史1 斉藤正史2

所属機関: 1国立東京第二病院整形外科 2国立栃木病院整形外科

ページ範囲:P.939 - P.946

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 抄録:腰痛は病理学的変化を基盤として発症することは勿論であるが,神経分布を考えるとき椎間板周辺または椎間関節周辺から発症する腰痛があると思われる.両者を鑑別する目的で,腰痛患者57例89関節に椎間関節ブロックを行った。後屈・寝返り・起立時および正座位のように椎間関節に負荷が増大する動作や姿勢で増強する腰痛に対してはブロック有効例が多く,立位・胡座位・前屈および歩行時の腰痛には無効例が多かった.疾患別での有効性は,急性腰痛症・いわゆる腰痛症・変形性脊椎症・脊椎分離症・脊椎辷り症の順で,椎間板ヘルニアや椎間板症の腰痛には無効例が多かった.しかしながら,同一病名でも動作の種類によって効果が異なり,また,同一動作でも疾患によって効果は必ずしも同一ではなかった.以上の結果は腰痛の治療に際して,病名にとらわれることなく腰痛を増強させる動作や姿勢も考慮に入れて,きめこまかく処方すべきであることを示唆する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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