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手術手技シリーズ 関節の手術<下肢>
二重カップ関節形成術
著者: 奥村秀雄1 山室隆夫1
所属機関: 1京都大学医学部整形外科学教室
ページ範囲:P.963 - P.968
文献購入ページに移動二重カップ関節形成術(Bipolar hip arthroplasty)は,まだ10年程度の臨床成績が得られつつあるところであるが,その構造上の特徴により,従来のMoore型人工骨頭置換術より優れていることが認められてきている2),Bipolar型人工骨頭は,生体内で臼蓋と金属のouter headとの間とHDPのbearing insertと金属のfemoral headとの間の2個所に可動性を有している.その構造上の特徴から,頸部骨折の他に変形性股関節症にも適応されている3,8,10).京都大学整形外科においては,Bateman UPF II型(図1)のBipolar hip arthroplasty1,5,11,12)を施行しているので,その手術術式について述べる.
手術術式は,大転子を切離しない後側方の進入法と大転子を切離する側方の進入法とに大別される.臼蓋の形態が正常で関節軟骨が温存されている大腿骨頸部骨折や大腿骨頭壊死症(avascular necrosis of femoral head:ANF)には,大転子を切離しない後側方進入法を用いている.一方,臼蓋のリーミングの処置と臼蓋縁の骨移植術の併用が必要な変形性股関節症には,大転子を切離する側方進入法を用いている.
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