icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科23巻8号

1988年08月発行

文献概要

臨床経験

Free vascularized fibular graftingによる頸椎前方固定術とその問題点

著者: 住浦誠治1 土井一輝1 桑田憲幸1 酒井和裕1 伊原公一郎1 河合伸也1

所属機関: 1山口大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.1017 - P.1021

文献購入ページに移動
 抄録:頸椎椎体削開術後の前方固定に対して,確実な骨癒合,強固な支持性を得る為に血管柄付腓骨移植術を6例に施行した.
 原因疾患の内訳は,頸椎症性脊髄症2例,頸椎後縦靱帯骨化症4例であり,固定椎間数別では,3椎間固定が5例,2椎間固定が1例であった.術後経過観察期間は2カ月〜2年6カ月であり,術後早期の1例を除き,術後2.5カ月〜5カ月,平均3.4ヵ月で骨癒合を得,また臨床的にも満足する成績を得ている.移植骨中央部と椎体との癒合については,muscle sleeveが介在していたにも拘らず術後1年8カ月のCTにて骨性の癒合を確認できた.問題点として術野が狭く深い為に血管吻合が幾分困難であること,術後頸部の血腫形成,また1例に母床側の圧潰による固定椎間高の軽度減少を認めた.しかし確実かつ早期の骨癒合と支持性という点で,多椎間レベルの頸椎前方固定に対し,血管柄付腓骨移植は有効な方法であると考えている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら