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臨床経験
Free vascularized fibular graftingによる頸椎前方固定術とその問題点
著者: 住浦誠治1 土井一輝1 桑田憲幸1 酒井和裕1 伊原公一郎1 河合伸也1
所属機関: 1山口大学医学部整形外科学教室
ページ範囲:P.1017 - P.1021
文献購入ページに移動原因疾患の内訳は,頸椎症性脊髄症2例,頸椎後縦靱帯骨化症4例であり,固定椎間数別では,3椎間固定が5例,2椎間固定が1例であった.術後経過観察期間は2カ月〜2年6カ月であり,術後早期の1例を除き,術後2.5カ月〜5カ月,平均3.4ヵ月で骨癒合を得,また臨床的にも満足する成績を得ている.移植骨中央部と椎体との癒合については,muscle sleeveが介在していたにも拘らず術後1年8カ月のCTにて骨性の癒合を確認できた.問題点として術野が狭く深い為に血管吻合が幾分困難であること,術後頸部の血腫形成,また1例に母床側の圧潰による固定椎間高の軽度減少を認めた.しかし確実かつ早期の骨癒合と支持性という点で,多椎間レベルの頸椎前方固定に対し,血管柄付腓骨移植は有効な方法であると考えている.
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