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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科23巻8号

1988年08月発行

文献概要

臨床経験

黄靱帯骨化を伴った胸椎椎間板ヘルニアの2例

著者: 松井稔1 林春樹1 岡田孝三1 細谷徹2 大西啓一2

所属機関: 1香川医科大学整形外科学教室 2姫路赤十字病院整形外科

ページ範囲:P.1023 - P.1027

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 抄録:胸椎椎間板ヘルニアに黄靱帯骨化(以下OLFと略す)を合併した2症例を経験したので報告する.症例1は35歳男性,歩行困難と下肢知覚障害を主訴として来院した.CT myelography(以下CTMと略す)とCT disco graphyにてTh12/L1の椎間板ヘルニアと診断した.症例2は63歳男性.歩行困難と排尿障害を主訴としていたが,癩病に罹患していたため診断に難渋した.CTMでTh11/Th12とTh12/L1の2椎間において椎間板による前方圧迫を認めた.興味あることは,共にCTにてOLFによる脊柱管狭窄を認めたことであった.前方除圧と固定.簡便な装具による早期離床で軽快退院した.本病態の正確な診断には,CTMが有用であり,脊髄は前方から椎間板ヘルニアにより,後側方からOLFにより圧排され,V字型を呈していた.本2症例は,OLFによる脊柱管狭窄症を基盤とし,椎間板ヘルニアが契機となってmyelopathy発症に至ったものと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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