icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科23巻9号

1988年09月発行

文献概要

論述

脊髄空洞症のMRI所見の検討

著者: 板橋孝1 湯山琢夫1 有水昇1 吉永勝訓2 礒辺啓二郎2 渡部恒夫2 井上駿一2 新井貞男3 守田文範4 植松貞夫4

所属機関: 1千葉大学医学部放射線科学教室 2千葉大学医学部整形外科学教室 3国立療養所千葉東病院整形外科 4千葉大学付属病院中央放射線部

ページ範囲:P.1049 - P.1056

文献購入ページに移動
 抄録:脊髄空洞症31例(Chiari奇形合併13例,特発性9例,脊髄腫瘍合併5例,外傷後4例)のMRI所見について検討を行った.その結果,MRIによる脊髄空洞症の診断はdelayed-CTMの結果とほぼ一致したが,空洞の高位診断にはMRIの方が優れていた.Chiari奇形合併例の多くは脊髄全長にわたり病変がみられ,また脊髄腫瘍合併例では延髄空洞症が5例中3例と多くみられた.MRIでは空洞内容液の動きは,T2強調画像において空洞内の低輝度領域として描出されたが,この所見はChiari奇形合併例,特発性例のほぼ全例に認められ両者の間に相違は見られなかった.また外傷後の症例においても,空洞が損傷部位から上下に広がった2例に同様の所見を得た.これに対し脊髄腫瘍合併例では,T2強調画像において空洞内は腫瘍組織と同様に高輝度領域として描出され,こうした所見は脊髄腫瘍の合併を強く示唆する所見と思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら