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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科24巻1号

1989年01月発行

文献概要

論述

脊髄誘発電位を用いた頸部脊髄症の診断

著者: 四宮謙一1 古屋光太郎1 佐藤良治1 岡本明彦1 黒佐義郎1 渕岡道行1 佐藤浩一2 横山正昭2 小森博達2

所属機関: 1東京医科歯科大学整形外科学教室 2済生会川口総合病院整形外科

ページ範囲:P.11 - P.21

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 抄録:脊髄誘発電位を用いることにより頸椎症性脊髄症の高位診断,病態診断がかなり正確に行えるようになってきた.対象症例は1982年から1986年までの115例で,頸部脊髄症98例,神経根症17例である.頸部脊髄症の内訳は,OPLL 27例,頸椎症71例(頸椎椎間板ヘルニアを含む)であった.下肢機能のモニターのためには,胸髄刺激により頸椎硬膜外腔から導出した伝導性脊髄誘発電位が用いられた.また上肢機能のモニターのためには正中神経刺激による分節性脊髄誘発電位が導出された.OPLLなどでは時として狭窄部位の途中で脊髄誘発電位の消失が認められることがある.このような場合にはさらに刺激電極をcisterna magnaに設置し,下行性伝導性脊髄誘発電位を記録し,脊髄障害の上限を診断した.これらの診断法を用いるようになって,多椎間障害,連続型OPLL例などにおいても責任病巣を的確に診断できるようになった.加うるに,術前の脊髄誘発電位から術後の予後をある程度診断できることが解った.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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