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経皮吸収局所作用型非ステロイド抗炎症剤の現在・過去・未来
著者: 菅原幸子1
所属機関: 1東京女子医科大学附属第二病院整形外科
ページ範囲:P.1125 - P.1125
文献購入ページに移動経皮吸収外用剤の過去をふりかえってみると,古代では手足の打撲傷や痛みの緩解に手当りしだいに草根木皮を使用し,その長い使用経験から自然界にある有用な物質と,その使い方が伝承され,選択・改良され軟膏剤と貼付剤に分別されて来た.軟膏療法は軟膏基剤の中に含まれている薬物を直接皮膚病巣に働かせて治療効果を期待するものではなく,むしろ外因が,その発生に大きな役割を占めているので,この外因からの保護が大きな目的であった.一方貼付剤は,パップ剤,硬膏剤,湿布に使用する罨法用薬剤の区別は極めて漫然としたもので,18世紀後半にパップ剤という言葉が日本に伝えられ,使用前に加温して布の上に展延し皮膚に貼付し,水分と熱との存在下に薬物を作用させ,抗炎症と誘導刺激作用による疼痛緩解を目的としており,1965年以来"成形パップ剤"として発展して来た.日本においても,ほんの少し前まで草の葉・根を叩いたり,揉んだりして貼ったり,辛子や酢を入れた"ウドン粉"を練って塗布していた.これらの長い歴史の基盤の上に,現在の経皮吸収非ス剤が存在している.
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