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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科24巻10号

1989年10月発行

文献概要

臨床経験

遠隔転移により死亡した類上皮肉腫の2例

著者: 柿崎寛1 松本健一1

所属機関: 1弘前大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.1207 - P.1210

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 抄録:診断・治療上問題のあった類上皮肉腫の2症例の報告.症例1:36歳男性.右前腕難治性潰瘍があり骨髄炎と誤診されてその治療を頻回に受けていた.類上皮肉腫との診断のもとに前腕切断術を行ったが,頭皮・肺・胸椎などに遠隔転移を生じ,当科での手術後4年2カ月で死亡した.症例2:54歳男性.左下腿および左大腿の腫瘤.はじめ左下腿皮下に小腫瘤を生じ線維腫との診断で3回他医で単純切除術を受けて再発.経過中左大腿に転移しこれも切除術後に再発して当科を受診した,それぞれ広範切除術にて治癒させたが,後に肺,小脳,頬部などに転移し,当科での手術後3年1ヵ月で死亡した.2症例とも病理学的所見は類似する.即ち多角形ないし紡錘形の腫瘍細胞が結節を形成しながら増殖し,結節の中心部は壊死に陥り易い.このために早期より潰瘍化するため他疾患と誤診されることが多い.本腫瘍の診断,治療上の問題点を述べた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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