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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科24巻10号

1989年10月発行

文献概要

臨床経験

SLEに合併した早期大腿骨頭壊死症の1例

著者: 原理恵子1 増田武志1 松野丈夫1 長谷川功1

所属機関: 1北海道大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.1215 - P.1220

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 抄録:ごく早期から経過観察が可能であったSLEに合併する大腿骨頭壊死症の1例を経験した.症例は14歳女性で,SLE発症の3ヵ月後,ステロイド投与開始1ヵ月後の骨シンチ及びMRIで骨頭内に異常を認めた.9ヵ月後のX線写真に帯状硬化像が出現し,1年7ヵ月後の骨頭の骨生検で明らかな骨壊死像が得られた.しかし当科初診より現在までの2年9ヵ月間,臨床的に殆ど無症状であり,臨床症状の有無とは無関係に,SLE発症またはステロイド投与開始の直後に骨壊死が発生している可能性が示唆された.本症例が臨床的にsilentであった原因として,組織学的脆弱性が少ないことが考えられた.本症例のように長期間発症しない症例は臨床的に見逃されている可能性が高いが,典型的症例と比較して,臨床症状の発現しない要因を検討することが本症の発症機序及び病態の解明に重要と思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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