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臨床経験
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抄録:中・高年層のスポーツ愛好者の増加と共に同年齢層におけるアキレス腱断裂患者が増加しており,社会的立場上,早期の社会復帰が望まれる.そこで当科では,アキレス腱断裂術後患者に対して,3週間のギプス固定の後に部分荷重歩行を開始し,術後4週で全荷重歩行を許可するという,従来に比べて短期間の後療法プログラムにて訓練を行い,良好な術後成績を得た.対象は同プログラムにて後療法を行った39例で,術後アンケート調査を行った.術後経過期間は平均3年3ヵ月である.再断裂は1例(2.6%)に見られたが,その他重篤な術後合併症はなく,筋力,足関節可動域,スポーツ活動への復帰などはおおむね満足すべき結果が得られた.本後療法プログラムは,早期の社会復帰が望まれる症例には推奨すべき方法と考えられる.
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