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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科24巻10号

1989年10月発行

文献概要

臨床経験

遠位橈尺関節変形性関節症に続発した手指屈筋腱皮下断裂の1例

著者: 遠山晴一1 荻野利彦1 三浪明男1

所属機関: 1北海道大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.1241 - P.1244

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 抄録:遠位橈尺関節変形関節症に続発した手指屈筋腱皮下断裂の1例を経験したので報告する.症例は83歳女性.昭和62年4月,数日間の庭仕事の後,右中,環,小指のDIP関節の屈曲が不能となった.同年10月には環,小指のPIP関節の屈曲も不能となり同年11月,当科を受診した.X線正面像では遠位橈尺関節部に関節面の硬化像と骨棘が認められ,尺骨はplus variantを示し,側面像では橈骨関節面は背側へ傾斜していた.CT像では回外時,尺骨頭は亜脱臼を認め,骨棘は掌側へ突出していた.術中,中指の深指屈筋腱,環・小指の浅・深指屈筋腱が手関節部で断裂しており,断裂腱の両断端はササラ状に陥っていた.遠位橈尺関節掌側の関節包に断裂が存在し,前腕を回外すると尺骨頭に形成された骨棘がこの関節包の断裂部より露出した.以上より本症例では遠位橈尺関節変形性関節症にて生じた尺骨頭の骨棘が回外時掌側へ突出し屈筋腱を摩耗させ,腱断裂が発生したものと思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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