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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科24巻11号

1989年11月発行

文献概要

論述

アテトーゼ型脳性麻痺における環軸椎亜脱臼と脊髄麻痺の成因—特に下位頸椎前彎角と環椎前傾角について

著者: 大成克弘1 山田勝久1 蜂谷将史1 藤井英世1 斉藤裕一2 近藤総一2 今泉純2 三橋孝之2 金泰久2 金児英敏2 秋山典彦3

所属機関: 1横浜南共済病院整形外科 2横浜市立大学整形外科 3茅ヶ崎市立病院整形外科

ページ範囲:P.1257 - P.1263

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 抄録:アテトーゼ型脳性麻痺10例を環軸椎亜脱臼による脊髄麻痺群(3例)と非麻痺群(2例),亜脱臼を認めない対照群(5例)の3群に分けてX線学的に比較検討した.環椎歯突起間距離は麻痺群と非麻痺群でそれぞれ平均6.3mm,4.8mmであった.環椎高位の脊椎管最小矢状径は麻痺群,非麻痺群,対照群でそれぞれ平均11.7mm,18.5mm,18.8mmであり麻痺群で著明に小さかった.後屈位(脱臼整復位)の環椎部脊椎管矢状径は麻痺群で平均15.7mmであり他の群より4〜6mm小さかった.後屈位の脊椎管矢状径は生来の矢状径であり,この狭小化が脊髄麻痺発症に関与していると思われた.また前屈位の環椎前傾角は麻痺群,非麻痺群,対照群でそれぞれ平均50.0°,39.0°,28.7°であり,前屈位の下位頸椎前彎角はそれぞれ平均-38°,-38.5°,-24.0°であり両者は負の相関傾向を認めた.環椎前傾角の増大は頭部の前方sliding momentを増し,亜脱臼の成因に関与していると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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