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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科24巻11号

1989年11月発行

文献概要

論述

上位頸椎疾患に対するLuque法—特に,頭蓋・頸椎間固定への応用

著者: 戸山芳昭1 鈴木信正2 平林洌1 藤村祥一1 里見和彦1 石下峻一郎3 小林慶二4

所属機関: 1慶応義塾大学医学部整形外科学教室 2済生会中央病院整形外科 3社会保険埼玉中央病院整形外科 4静岡赤十字病院整形外科

ページ範囲:P.1264 - P.1272

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 抄録:Luque法による上位頸椎疾患に対する後方固定の中で,fan-shaped rodを用いた我々の頭蓋・頸椎間固定術を紹介し,その結果を含め,本法の適応ならびに有用性や問題点につき検討した.症例は,悪性疾患のA群として転移性腫瘍5例,骨髄腫1例,その他の疾患をB群として上位頸椎奇形3例,RA性環軸椎脱臼と環椎骨折各1例の計11例である,A群には骨セメントを併用したlong fusionを,B群には骨移植を行い,できるだけshort fusionとした.術後は簡単な頸椎装具のみで早期離床が可能となり,全例術前の頑固な頸部痛や麻痺症状は著明に改善した.深部感染と頭蓋内出血の合併症を各1例に生じたが,本法のもつ強固な固定力により,外固定の簡素化や整復位の保持,早期離床や良好な骨癒合が得られ,有用な手術法といえる.しかし,本法の最も良い適応は転移性上位頸椎腫瘍にあり,他の疾患に対しては特殊例を除き,その適応は慎重であらねばならない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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