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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科24巻11号

1989年11月発行

整形外科基礎

椎間関節切除後の腰椎安定性に関する生体力学的研究

著者: 鐙邦芳1 金田清志1

所属機関: 1北海道大学医学部整形外科学教室 2

ページ範囲:P.1319 - P.1326

文献概要

 抄録:棘上・棘間靱帯切断そして片側・両側の内側および全椎間関節切除が腰椎安定性に与える影響を知るため,実験を行った.人死体腰椎FSU(functional spinal unit)を用い,6種類のモーメントを負荷し,生じた変位をstereophotogrammetry法により解析した.棘上・棘間靱帯切断のみでは,いずれの脊椎運動においても,有意のRoM増大は生じなかった.棘上・棘間靱帯切断に内側椎間関節切除を加えると,前屈におけるROMは増したが,他の脊椎運動ではROMの増大はなかった.片側全椎間関節切除により,前屈と切除関節の反対側への回旋におけるROMが増した.両側全椎間関節切除では,前屈と左右回旋におけるROMが増した.内側椎間関節切除は腰椎の安定性をそれほど損なわず,椎間固定術の併用は,術前の安定性などを考慮して,決定されるべきである.片側であっても,腰椎の安定性を著しく損なう全椎間関節切除には,原則として椎間固定術を併用すべきである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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