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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科24巻11号

1989年11月発行

臨床経験

膝蓋下脂肪体ヘルニアの1例

著者: 岡田幸也1 北潔2 野田光昭2 水野保幸2 西林保朗2

所属機関: 1六甲病院整形外科 2国立加古川病院整形外科

ページ範囲:P.1341 - P.1345

文献概要

 抄録:膝蓋下脂肪体が外側膝蓋支帯の孔から一部脱出し,腫瘤として触れていた膝蓋下脂肪体ヘルニアの1例を経験した.症例は4歳女児で,右膝部の無痛性腫瘤を主訴として来院した,腫瘤は大豆大・弾性軟で,膝蓋靱帯の外側,関節裂隙の高位にあった.皮膚との癒着はなく,境界も明瞭であり,膝関節の屈曲時に出現し,伸展時に消失した.右膝の単純X線像,関節造影では異常所見はみられなかった.手術時,膝蓋靱帯と腸脛靱帯の間の外側膝蓋支帯に直径約7mmの孔を認め,膝関節を屈曲すると,この孔を通じて膝蓋下脂肪体が脱出膨隆し,伸展すると引き込まれて消失する現象を確認できた.
 類似の臨床像を呈する半月板嚢腫との鑑別点について,基盤となる組織の膝屈伸時の動態から考察した.また,膝関節の関節鏡手技でも同様の病態が起こりうる点についても述べた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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