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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科24巻12号

1989年12月発行

文献概要

論述

手関節捻挫および橈骨遠位端骨折後の長母指伸筋腱皮下断裂の検討

著者: 高見博1 高橋定雄1 安藤正1 金吉男1 中村正則1 金澤洋介1 稲波弘彦2

所属機関: 1関東労災病院整形外科 2東京大学分院整形外科

ページ範囲:P.1391 - P.1398

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 抄録:橈骨遠位端骨折後に生じる長母指伸筋腱皮下断裂の発生機序に関してはさまざまな意見がある.われわれはいわゆる「手関節捻挫」に続発した長母指伸筋腱皮下断裂4例,総指伸筋腱皮下断裂1例,および橈骨遠位端骨折に続発した長母指伸筋腱皮下断裂7例を経験したので,腱断裂発生機序に関する考察を加えて報告する.長母指伸筋腱皮下断裂は橈骨遠位端骨折以外の外傷にも続発し,その受傷機転に共通するものは手関節過伸展の強制であることから,受傷時に伸筋支帯遠位辺縁によって長母指伸筋腱の橈背側部に圧挫が生じ,その後に腱損傷部は第3 compartment遠位部において摩擦を受けることによって磨耗,変性が進行して遂には腱断裂が生じるものと考えた.橈骨骨折部の不整による腱の磨耗,断裂は頻度としては小さいものと思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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