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認定医講座
骨の生理・構造・生化学
著者: 大野敦也1
所属機関: 1筑波大学臨床医学系(整形外科)
ページ範囲:P.1421 - P.1428
文献購入ページに移動骨は外側から骨膜,皮質,海綿骨からなる.このうち,骨膜は内層のcambium layerに骨形成能を有し小児期での骨の横径成長を行うが,成人では骨折等の修復機転に際して骨形成予備能を有していることで重要で,また,感染や骨腫瘍などの刺激に対して種々の形の骨形成をおこしX線変化を修飾する.
皮質はオステオン(第二次骨単位)と介在層板からなる.オステオンは,ハバース管を中心に骨細胞をいれた骨小腔を同心円状に配列した層状構造をもち,各骨細胞は細胞突起で連絡している.オステオンの間の部分を介在層板という.そして,これらハバース管は走行中に他のオステオンと直接的に,またVolkmann管を介して間接的に連絡している.したがって,骨皮質は三次元的に配列されたオステオンの集合体であると考えられ,これらオステオンは機能的にも形態的にも皮質骨を構成する単位として存在する(osteonal or Haversian system).各オステオンはセメント線で境界される(図1).
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