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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科24巻2号

1989年02月発行

文献概要

論述

慢性関節リウマチにおける手のムチランス変形について

著者: 佐浦隆一1 松原司1 井口哲弘1 川井和夫1 廣畑和志1

所属機関: 1神戸大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.145 - P.152

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 抄録:いわゆる手のムチランス変形を生じた慢性関節リウマチのX線像並びに血液学的検査値を経時的に調べ,初発関節,関節別罹患頻度,ムチランス変形出現前後での血液学的検査値の変化等を検討した.X線上,母指IP関節に初発するものが多く,関節別罹患頻度は,母指IP関節次いでPIP,MP関節の順であった.更に,ムチランス変形の関節破壊には,これまでいわれてきたpencil in cap変形以外の骨吸収形態も認められ,pencil in cap型の他に我々は,次に示す分類を試みた.即ち,指節骨遠位端,近位端共に切断された様に吸収される断節型,脱臼した関節の骨接合面が吸収され不安定性を呈する脱臼型,側方が主に吸収される側方吸収型の4型に分類した.その結果,罹患関節により骨吸収形態に差が見られた.また,ムチランス変形出現前後で,赤沈値は有意な上昇を示し,CRP値も半数において上昇していた.以上より,ムチランス変形発症には炎症の進展と関節運動による物理的ストレスが関与していると思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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