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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科24巻2号

1989年02月発行

文献概要

臨床経験

高度の老人性円背を伴う非外傷性胸骨骨折の1例

著者: 大西純二1 浜田茂幸1

所属機関: 1中町赤十字病院整形外科

ページ範囲:P.213 - P.216

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 抄録:胸骨骨折は,ほとんどが外傷性のもので,非外傷性のものは極めて稀であり,文献的報告は少ない.今回我々は,特発性血小板減少性紫斑病で入院し,ステロイド剤の投与治療中に,非外傷性の胸骨骨折をおこした症例を経験した.この骨折は,高度の老人性円背に基づく介達外力によりひきおこされたと考えられる.すなわち,老人性円背が高度になると,胸郭の変形をひきおこし,肋骨を介する介達外力が胸骨にかかり,胸骨の前方凸の突出,angulationをひきおこし,ひいては,骨折の原因になるものと思われた.またこの患者はステロイド剤投与前より,慈恵大式分類でIII度と高度の骨粗鬆症を合併しており,さらにステロイド剤投与による骨粗鬆症とあいまって骨脆弱性をひきおこし,胸骨骨折の発症に関与していることが推察された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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