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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科24巻3号

1989年03月発行

視座

Information Explosionに思う

著者: 三浦幸雄1

所属機関: 1東京医科大学整形外科

ページ範囲:P.237 - P.237

文献概要

 最近数十年,わが国の遂げた物質的飛躍には著しいものがあり,ついに世界の経済大国になった.この影響は各方面に及んでいる.しからば,学術,研究の面ではいかがなものであろうか,我々臨床医学に携わるものから見ると,大学からの研究費は平行スライドで少しも増額されていない.研究費が足らない,或いは実績に対する研究費給付という実態はあまり変っていないように思われる.研究は,本来,真に独創性に富むものであれば,短期間では成果が上がらないものでも与えられなければならないように思う.近視眼的な思考はあまり戴けない.しかし研究費が足らないからという弁解めいた口実は,独創的研究が生れないということに使うにはかなり不合理な面をもっていると言える.
 日本の医学界から発表される研究成果は,その研究者,あるいは業績発表の数に比して独創性のあるものが少ないのではないか,という批判もある.その根拠はやや不明確であるがこの意見には謙虚に耳を傾けなくてはならないと思う.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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