臨床整形外科24巻3号

1989年03月発行

症例検討会 骨・軟部腫瘍6例—日本整形外科学会　骨・軟部腫瘍研究会

〔症例1〕骨原発性の悪性血管腫と思われる1症例について

著者： 吉原哲¹ 飯島康司¹ 黒木良克¹ 光谷俊幸² 阿部光俊³ 今村哲夫⁴

所属機関： ¹昭和大学藤が丘病院整形外科 ²昭和大学藤が丘病院病理 ³帝京大学医学部整形外科 ⁴帝京大学医学部病理

ページ範囲：P.253 - P.256

文献概要

　症例：65歳，男性
　昭和62年1月初旬より特因なく右下腿下部前面に疼痛出現し，放置するもその後徐々に疼痛増強し同年2月下旬より同部の発赤および腫脹がみられ，3月中旬，他院を受診し脛骨部骨腫瘍の疑いにて当科紹介され精査治療目的にて入院となった．初診時，果部より約7cm中枢側で脛骨前面に圧痛点を認め，同部に発赤および軽度の腫脹を認めた．X線上，脛骨遠位部に6×3cmの骨皮質の破壊を伴った境界不明瞭な骨吸収像を認めた（図1-1）．^99mTc-HMDP scintigramにてX線上病変の見られた部位に一致してuptakeの増加がみられた．62年4月21日Angiographyおよび骨生検を施行した．Angiographyにて動脈偏位およびtumor stainが観察された．