icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科24巻3号

1989年03月発行

症例検討会 骨・軟部腫瘍6例—日本整形外科学会 骨・軟部腫瘍研究会

〔症例2〕左腸骨骨腫瘍

著者: 岩下俊光1 橋本洋1 恒吉正澄1 横山良平1 宮ヶ原俊郎1 遠城寺宗知1 増田祥男2 牛島正博2 篠原典夫3

所属機関: 1九州大学第二病理 2九州大学整形外科 3国立福岡中央病院整形外科

ページ範囲:P.256 - P.258

文献概要

 症例:32歳,男
 経過:昭和62年5月11日夜就寝した後,誘因なく左股部から臀部に至る疼痛が出現したため某医を受診したところ,骨盤に穴があいていると言われた.痛みが強くなり,5月18日九大整形外科を紹介され受診した.単純レ線検査にて,fibrous dysplasiaが疑われ,外来にて経過観察していたが,疼痛の増強のため8月26日精査入院となった.単純レ線では左腸骨に溶骨性変化を認め(図2-1),CT scanでは腸骨に溶骨性変化が骨髄質にあり骨皮質は一部外側内側ともに破壊され(図2-2),血管造影では軽度の血管の増加を認めたが,骨シンチは陰性であった.生検にて悪性腫瘍と診断され,10月6日左骨盤半載術が施行された.切除標本では腸骨部に白色の脆弱な腫瘍が結節状および連珠状に増殖しており,割面では乳白色の腫瘍が骨髄質全体を占め,骨皮質の一部も破壊され骨外の軟部組織に連続性に浸潤していた(図2-3).組織学的には腫瘍細胞は卵円形および紡錘形の核と帯状の好酸性の細胞質をもち,腫瘍細胞が束状に配列しherring-bone patternもみられた(図2-4).赤玉細胞とおたまじゃくし様の腫瘍細胞さらにきわめて少数ながら明らかな横紋のある腫瘍細胞を軟部にも骨内にも認めた(図2-4).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら