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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科24巻3号

1989年03月発行

文献概要

検査法

骨肉腫の肺転移巣に対する骨シンチグラフィーの有用性

著者: 鵜飼和浩1 土井田稔1 水野耕作1 広畑和志1 松本圭司2

所属機関: 1神戸大学医学部整形外科学教室 2北兵庫内科整形外科センター

ページ範囲:P.274 - P.280

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 抄録:当科で治療を受けた骨肉腫で肺転移巣のある10症例における骨シンチグラフィーの有用性について検討した.原発巣及び骨転移巣の骨シンチグラムはすべて陽性であるが,肺転移巣では原発巣のレントゲン像が溶骨性及び混合性病変を示す5例の骨シンチグラムはすべて陰性であった.一方,硬化性病変であった5例中4例が骨シンチグラム陽性であり,中でも傍骨性骨肉腫は強陽性であった.病理組織所見では原発巣が溶骨性病変の症例では腫瘍性類骨は見られても類骨石灰化像は全例で観察されず,また肺転移巣でも類骨石灰化像は存在しなかった.一方,硬化性病変の症例では原発巣に類骨石灰化像の存在する例が多く,肺転移巣でも類骨石灰化さらに骨形成所見を認める症例が多く,それらはいずれも骨シンチグラムは陽性であった.
 以上より,骨シンチグラフィーによる肺転移巣の検索は硬化性病変に対しては有用であるが,溶骨性病変の場合には有用性に疑問があると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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