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認定医講座
慢性関節リウマチ(含む強直性脊椎炎)
著者: 上尾豊二1
所属機関: 1京都大学医学部整形外科
ページ範囲:P.281 - P.287
文献購入ページに移動診断:RAは病因のいまだ決定しない慢性の多関節炎症疾患であり,診断上,例えば結核性関節炎が組織所見で確定診断可能なような決め手がない.そこで1つの症候群としての類似性で診断をつけざるをえない.現在まで基準として用いられたのが1958年に制定されたアメリカリウマチ協会(ARA)の診断基準である(表1).この基準ではRAをClassical,Definite,Probable,Possibleに分類しているのが特徴である.またRAは一般に疼痛を主訴とする疾患であるが,診断に際しては主観的な痛みの程度は評価しにくく,客観的に評価のできる腫脹を重視しているのがポイントである.
1987年に新しいARA診断基準が発表された(表2).この診断基準ではClassical,Definite等の分類は廃止されている.除外項目も廃止されている.基準項目での主な改訂部分は,疼痛,組織検査,関節液検査の項目の削除である.関節腫脹が診断の基本であることは,前の診断基準から一貫しており,そのことがさらに強調されている.
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